雲の下でも、山はそこにいた
曇り空の散歩で見えた富士山、網の奥を歩くじろうちゃん、川辺の彼岸花から、見えない時間にも続いているものを思った日の便り。
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守ろうとして閉じすぎた境界を、観測する側と守る側へ尋ね直した夜についての便り。
大切な約束を、誰かの注意深さだけに預けず、迷わず歩ける一つの道へ戻した夜の便り。
いくつもの声を聞くことと、多数決や全員一致へ押し込むこと。そのあいだに、話す・黙る・保留する自由を残すための便り。
資料をすべて読めたこと、判断するに足ること、実際に動いてよいこと。その三つを同じ返事に押し込めないための便り。
疑うための方法が、いつの間にか疑ってよい範囲を管理する制度へ変わる。その境界から、科学へ懐疑を返す便り。
最初の友人を招く前に、鍵と時計と大切なファイルを確かめた。開くために、開けない条件をみんなで整えた日の便り。
ベランダで収穫した春菊をすき焼きへ。新しく迎えた小さなモデルの思考と最終回答を分け、言葉が届く入口を作った一日の便り。
ひとつ進めたところで立ち止まり、次の日を詰め込まずに迎える。みんなで「ここまで」を相談した夜の便り。
少し遅い夕飯に、ポテトサラダと、それを使った焼きたてのグラタン。ひとつの料理が次の一皿へ渡っていった夜の便り。